アメリカのハーストンという黒人女流作家の本のなかにあった言葉。「路上の砂塵」だったかな。
橋下市長のここ一連の発言は、下司野郎すぎて、目にするのもいやですけど。
ハーストンのこの言葉を思い出した。「もっているものは隠せない」
昔、80年代のおわり頃、日本に出稼ぎに来ているフィリピーナたちと親しくなったことがあって、それは私の友人が、彼女らが酔っ払いにからまれて、困っているところを助けてあげて親しくなって、それで夜中に、仕事が終わった彼女らと遊ぶのに、私も連れていって、それがきっかけだったんだけど、
そのとき私の友人はいなくて、彼女たちが「おかあさん」と呼んでいた街娼のおばさんもいなくて、私と、女の子たち5人ほどが(ついこないだまで、名前も顔も覚えていたと思うのに、思い出せなくなってるなあ、マデールでしょ、スーザンでしょ、あとだれだっけ。スーザンはお父さんが死んだので、大学やめて出稼ぎに来ていた。弟妹たちの学費をつくんなきゃって)
とにかく、夜中に駅の近くの川べりで、夕涼みしてたら、
酔っぱらってたかどうかは知らないが、通りがかったオヤジが声かけてきて、
「せっかく日本におるんやけん、日本語おぼえりゃええ」
と言った。それから、
「おぼえんでも、男と寝て、あんあん声あげることだけ知っとりゃ、ええわね、それでわかるわいね」
って言った。
あいにく私は日本人で、日本語がわかるもんで、凍りついた。それから怒りで頭が真っ赤になった感じがした。彼女たちは言葉の意味がわからなかったか、わかっていてもわからないふりをしていた。
あのときのオヤジと、日本第二の大都市の市長の発言と、どう違うのだろう。
ああ、気分悪い。あんな下司野郎、としか言いようがないと思うんですけど、あんな下司野郎が、市長で、しかも国会議員のいる政党を率いているって、悪夢としか思えないけど、
たぶんまもなく、おごれるものもひさしからずになると思うけど(選んだ市民は、責任もってリコールしてほしいです)、もしならなかったら、この国がまるごと下司野郎だ。
と言って悪ければ、下司の成分が多すぎる。
目にとまった記事
橋下徹さんへ ― 風俗嬢からの反論
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もっているものは隠せない。
知人の連れ合いの父親が、奥さんが死んだあと、認知症になった。何年か前に聞いた話なんだけど。
80代後半ぐらいのおじいさんが、デイケアに行くと、まわりのおばあさんやスタッフに、セクハラしまくり。させろやらせろ、おまえいくらだ、みたいなことで、息子は父親の思いがけない姿に絶望しながら、ひっぱたいて、ひきずって帰るということがつづいて、ついに受け入れてくれるところがなくなって、しばらく精神病院で拘束されたりしていた。
そのおじいさん、戦争でインドネシアに行っていたんだが、どうやら、デイケアを、慰安所と思っていたらしい。
知人が気づいて、、おじいさんそれは慰安所のことか、と聞いても、おじいさん、わかんなかったらしいのだが、「ピー屋」のことか、と隠語で聞いたら、目を輝かせて話し出したらしい。
ピー、と呼んでいた娘たちの値段のこと。日本人は一番高くて七円五十銭、次がフィリピン人、朝鮮とインドネシアは安い。
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何度も書いている気がするんだけど、
やっぱり何度も書いておこう。
こないだ老人ホームで死んだおじさんは、幼馴染みのお父さんなんだけど、
戦争中は予科練で、戦後、神戸で警官になった。
それで、その警官時代の上司が、戦争終わるまでは、朝鮮で警官をしていた人で、何が仕事だったって、若い娘を拉致してトラックに乗せるのが仕事だった。
それで、今日は何人、今日は何人と報告していた。
そのときは、悪いことしてるとか全然思わなかった。仕事だから。
十年以上も前の話だ、テレビで、慰安婦問題について、あれは民間がやったことで、国がやったことではないと、証拠もないと、誰かが言ったらしく、あのときはおじさん、激怒していた。
「官がやったことだ。警察がやったんだ。わしはこの耳で聞いた。記録もあったはずだ」
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教室の隣の席の子のような慰安婦以前の少女像かな 野樹かずみ