森番

「ママは、天皇制に賛成ですか、反対ですか」
というような質問を、洗濯物たたんでるときに、突然されても。

京都の歴史と地図の本をもらった子ども、しばらく眺めていたのがふいに、そういう質問をしてきたのだった。京都の物語に天皇は欠かせないけど。

天皇制。そんなことふだん考えてないが、どっちか言わなきゃいけない。
「反対」って言うと、どうしてって聞く。
んーと。戦争で負けてから、天皇は「象徴」になったけど、象徴って、なんかよくわかんない幽霊みたいだから。
って言ったら、「ゆうれい」って子どもは笑ったが、
「ぼくは賛成」って言う。
「なぜかというと、だって、もし、天皇制がなくなったら、皇居がなくなって、都会から貴重な緑地帯がなくなってしまうよ。これ見てください」
と、地図帳出してくる。「ほら、ここが皇居なんです」
なるほど皇居は緑色。
説得されてしまった。毎日、地図帳眺めてる子らしい意見だなあ。

ということは、天皇は「象徴」ではなくて、「森番」なのか。
それは大事かも。