星ヶ丘ゆき

kazumiの日常雑記

教室の話

物語なしに、人間が生きていけるとは思えない。ひとつひとつは断片の出来事も、知らず知らず、物語のように聞いたり話したりしている、と思う。快いものもあり、不愉快なものもあり、楽しいものもあり、聞き飽きたものもたくさんあり。

いまはやっぱり、息子が学校から持って帰る教室の話が、いちばんおもしろいかなあ。最初は、息子が、自分のまわりの状況を把握するのが難しかったり、クラスメイトに関心を持たなかったり、するのをなんとかしたいし、トラブルに対応できるようにしとかないといけないし、と思って、あれこれ教室の話をするように促していたんだけど、今はもっぱら、私の楽しみのために話を聞いている感じ。楽しいわ。
いまのところ、それなりに教室で落ち着いて過ごせているみたいで、まあまあ安心している。

息子は小学校の教室で、いろいろ生きにくかったので、生きやすい環境を求めて、中学受験などしたが、たぶん同じような子たちが集まってきたということもあるのかもしれないが、なんかなあ、面白いなあ。
定期考査のあと、欠席者が増えて、ある日は5人いなかった。インフルエンザは一人だけ。ぎっくり腰の男子が一人、日ごろから欠席がちのぎりぎりちゃんはいつも通りの欠席、この3人が長い。あと、理由がわからないけど、たぶん寒かったり疲れたりして1日休み、みたいな休みがちらほらあって、もう一人数日休みが続いている男子は、家出していたらしい。
ほんとか嘘かわかんないけど、友だちにきたメールによると、自転車で家出して、いくつか向こうの町の大きな駅まで行って、そこらに数日いた、らしい。もう自宅に帰るのは帰ったらしいんだけど。

高校受験がないからと、発達障害由来と、そういう年頃のせいで、と息子は分析しているが、良くも悪くも、どっか歯止めのない感じ。

美術と音楽の時間が騒がしいのは高校受験がなくて内申が気にならないせいだろうけど、耳の過敏のある子はしんどい。ぎりぎりちゃんは学校を休んじゃうし、息子はひたすら我慢している。
もっとも音楽はいま、合唱祭の練習で、息子はひとり別の部屋でピアノ伴奏の練習ができるから、うるさくなくて平和。自分は歌わずにすんで、他人の音程の狂っているのを、いちいち指摘してやるのも快感。それでも男子らが、ピアノの弦をさわって音程狂わせるから、そのときは「消え失せろ」と叫んだ…。
合唱は「聞いてて気持悪くなる」ほどひどい状態らしい。


美術の時間は、耳が痛いと頭が痛いのを我慢していて疲れるというので、耳栓もっていけば、って言ったら、そんなことしたらそれでまた、男子たちが騒いでトラブルになるに違いない、と言う。それじゃあ、もう頭痛がしたら保健室に行くことだね。突然席を立って保健室に行くかもしれませんと、あらかじめ講師の先生に言ってからそうしなさいね、と言ったが、息子のことなので、我慢するかもしれないな。
講師は若い女の先生だけど、先生もがんばってはいるんだよ。静かにしなさいって言うし。ところがさ、Mなんかが、自分も一緒に騒いでいたくせに、騒がしいのが収まった頃になって、「静かにしろよ」とかわざと言ってまた騒がしくさせるから、先生が、注意は自分がするから、生徒はしなくていいと言ったわけ。それでぼくは、いいかげんにしろ、頭が痛いんだ、黙れ、と叫びたくても叫べない。

別のクラスの話だが、合唱のパートリーダーが集まるときに、洪水ちゃんが遅れて行ったら、きちがい、くるな、という罵声が飛んで、先生がそれを注意してたけど、とか、そんな話もどこからか耳にしてくる。洪水ちゃんに対する態度を見れば、つきあっていい人間か、つきあわないほうがいい人間かわかる。

参観日に行ったときなどに、目にとまったり、印象に残るのは、やっぱり発達障害の子が多い感じがする。発表のときの話し方や手の動かし方が、自分に似ている子がいて、どきっとしたことがあるけど。みんなとっても個性的、とくくっておくことにする。

ときどき息子、小さい白いにわとりは、ひとりで机を運んでいるが、したたかに観察している。いろいろとありがたい同級生たちだと思う。