ピアノの音

土曜日、雪。雪のなか、英検受けに学校に行った息子は、こっそりビデオカメラをもっていって、帰りに、近くの駅で、雪のなかを走る電車、を撮っていた、ことが翌日判明。インフルエンザも流行っているし、寒いから、寄り道せずに帰れと言われたから、黙って寄り道したのだった。

f:id:kazumi_nogi:20190128033529j:plain f:id:kazumi_nogi:20190128033600j:plain


日曜日。ピアノのコンクールだった。小学校2年からとびとびで6回目くらいの。中学生までなのでこれが最後の。
シューベルト作曲リスト編曲「ます」。
夏に息子がこれを弾くと言って、そりゃまた難しそうなものを、と思っていたら、秋に、ピアノの先生がこの曲でコンクール出ましょうか、というので、それは無茶です、と思った。2週間前までやっぱり無理なんじゃないの、と思っていたけど。指だって届くか届かないかぎりぎりで。
なぜか、彼はいつも、誰より難しい譜面を弾いて、壮大な中途半端で終わる。…でも、よかったよ。

友だちのYくんの演奏を、私たちは大好きで、久しぶりに聴けてうれしい。彼は現代音楽だったけど、何を弾いてもYくんの曲になる。ほかの子たちの演奏が退屈になる。
もうひとり印象的だったのは、いつも賞をもらっているような女の子で、低音の響く魔王みたいな曲に、怒りや悲しみの感情をのせてくるのが、心臓に痣が浮きそうだった。憑依型かな。黒いドレスだったので、カラスの呪いと名づけましたが、そのあとに弾く人がかわいそうだと思ったら、うちの息子だったわ。
よく耐えて弾いていた。そのあとが、超絶マイペースのYくんだった。
この3人、同じ楽器を弾いているとは思えなかったな。

いつも息子のしか聴かないけど、こうしてほかの子たちのと一緒に訊いてみると、いろいろと面白い。Yくんの音と息子の音は全然似てないけど、どちらも独特で、どちらも聴きやすくて、私は好き。たぶん、ふたりの聴覚過敏の耳がつくっている音だからかもしれない、と思った。聞いていて疲れないのだ。たぶん、自分が聞いて疲れない音を、探し当てているのだろう。
 
子どもたちの演奏聴きながら、個性、について考えた。

とても楽しませてもらった。