星ヶ丘ゆき

kazumiの日常雑記

人間模様

女の子たちはなんとかした。
金曜日の夕方のうちに、隣人は、畑の網を張りなおしたらしい。360度、緑色のネットで二重に覆って要塞化していた。
この3日間、鹿子は来ていない模様。上段の隣の畑に入らなければ、うちの畑にもまず入ってこない。1.6メートルのあたりまで合歓の葉の食い尽くされていたのが、おずおずと新芽が伸びている。
鹿子、このへんであきらめてくれるといいと思う。
雨が降れば、森にもすこし食べものが育つと思うんだけど。

女の子たちはなんとかした。
文化祭。準備が間に合いそうにも思えなかったお化け屋敷も、当日朝には、なんとかなっていて、大盛況だった。高校の文化祭はいいよ、と前日まで文句たらたらだった息子が朗らかに帰ってきた。何がよかったのと聞いたら、先生や教育実習生からジュースやアイスクリームの差し入れがあったから、らしい。拍子抜けするような単純さだな。

ただ、前日、隣のクラスの友だちが帰ろうとしたら、彼はクラスの男子に「なんで帰るんだよ」と引き止められて、なかなか大変な言い争いになったらしく、
眼前で繰り広げられたそういう光景に、息子はうんざりしていた。
息子は、さぼって帰ろうとした男子と仲が良い。でも、ひきとめたほうの男子は、中1のとき、息子が同級生にいじめられたときに、いじめたやつに立ち向かってくれた子でもある。
人間模様は単純ではないのだった。

私もなんとかした。
制服リサイクルの教室前で、30分前から列に並んだ。先頭から10人以内のところにつけたのだが、それでも男子の制服は出品が少なくて、かろうじてセーターだけ(今もっているのは破れてほつれているのだが、破れていないやつ見っけ)入手、あとはあきらめていたところに、ほしいサイズのズボンがぽんと戻されてきた。急いで手を伸ばした。冬ズボン入手。これは上出来。2つで700円。助かった。
バザーでは、プリンターのインクを30円(!)、傘を80円、ほか洗剤など買った。

荷物かさばるので、とっとと帰った。

そうして思い出そうとしてみるのだが、私は文化祭の記憶がない。体育祭は、いやでいやでいやでいやでいやだった記憶が苦く苦くあるが、文化祭は記憶そのものがまったくない。たぶんいやでもないが楽しくもなかったのだろう。中一の文化祭の日に、小学校のときに仲良しだった友達が病気で死んだことを知らされたのが、唯一の思い出。

☆☆

所沢の中学2年同士の殺人事件は、へんに身近に感じられて恐ろしい。

わが家は小学校からも離れていたし、坂の上の不便なところにあるが、それでも、近くの子たちが遊びに来たりしていた。友だち、と呼ぶしかないが、ほかに行き場のない上級生同級生下級生がやってくる感じだったとき、彼らの関係性から、目が離せなかった。彼らのわがままと、それを拒めない息子の気持ちの負担とを考え併せて、家に遊びに来ることを禁じたことがあるけれど。……そんなことを思い出したりした。
そこは、大人が介入しないといけなかったと思う。
それから数年たって、同級生だった子とは、今は、たまに道で会うと、ふつうにおしゃべりできる関係ではあるみたいだ。ふたりとも、すこしは大人になったのだろう。

子どもの人間関係は、けっこうはらはらさせられるものを抱えていると思う。中学になって、最初に仲良くなった子に、暴言吐かれたり蹴られたりするようになったとき、息子はショックを受けていたが、まあそういうことはあるだろうなと思った。すぐに学校に言ったけど。それから2年間は顔もあわさないようにしていたが、最近は、ふつうに話をすることもある。が、距離はとっているし、(息子は)油断はしていない、らしい。

心配するほどのトラブルではないのか、本人に任せて大丈夫か、親がものを言ったほうがいいかの見極めは難しいと思うんだけど、私も対応が遅れたり間違ったりしてきたと思うんだけど(そういうことを思い出すと、胸が痛い)、でもきっと、大人はもっと、見ていなければならないのだろうと思う。暴力を拒む注意深さを、もっとしっかりもたなければいけないのだと思う。


暴力は蔓延している。被害者は加害者になるし、加害者は被害者になる。中学2年って……殺された子も殺した子も、かわいそうでならない。