雑誌「みらいらん」4号(洪水企画)が届いた。
http://www.kozui.net/frame-top.htm
特集は田村隆一。
「空から小鳥が墜ちてくる
誰もいない所で射殺された一羽の小鳥のために
野はある」
詩「四千の日と夜」は高校生のときに読んだのだった。とてもかっこいいものを読んだと思い、そして、どういえばいいか、スフィンクスのなぞなぞに出会ってしまったような感じがした。いつか私も、そのような「野」が見えるようになるかしら、もしなれないとしたら、そんな人生は絶望でしかないのではないかと、不安だった。
……そんなことを、ふいに思い出した。
古居みずえさんへのインタビュー記事もよかった。古居さんのパレスチナの映像はすごく好き。対象との対話の仕方がとても人間的でほっとする。悲惨な現実のなかに分け入っていきながら。たぶん、だからこそ。
河津聖恵さんの詩は若沖について。
「途轍もないまぼろしは細部から手なづけるしかない」
「檻を描きつづければ神のけものたちはそこにおのずと降臨する」
「格子の向こうではなく小さな正方形一つ一つの内部に/未知の怒りをたたえ」
という世界観が、すっすっと心に入ってくるのが快い。
私も書かせてもらっているので貼ります。たどたどしいものを、自由に書かせてもらえてありがたく。