携帯電話

学校から電話。
緊急連絡網として携帯電話のアドレスを登録することになっているらしいのですが、私は普通の携帯電話をもたない(キッズ用の携帯ならもたされている)ので、その登録ができない。自宅の電話に電話するということでいいか、ということなので、そうしてもらうしかない。お手数かけますが。
なんかなあ、携帯を使わない私が世間に迷惑かけているような気がしてくるけど、携帯電話は、しんどいなあ。無理です。

むかし、私が小さかった頃は、電話のある家がまずめずらしかった。商店あたりが、近所中の電話の呼び出し先になっていた。そうだよ、おじいちゃんが死んだときも、近くの八百屋に行って、電話を借りて、父の仕事先の現場まで、電話を何軒も取り次いでもらったり、人を走らせてもらったりしたのだった。
それで、学校の名簿の電話の欄には、番号の前に(呼)とあるのは、その家には電話はなくて、近所の家に電話がかかるから、呼び出してもらえ、ということなのだった。
私の家に電話がついたのは小学校5年のときで、それから近所数軒ほどの呼び出し先になった。隣のおばさんの生き別れた娘さんから数十年ぶりに電話がかかってきたことがあって、あのときは、受話器をもったおばさんも泣いていたし、私の母ももらい泣きしていた。感動的な光景だった。
ふと思い出してなつかしい昭和の景色。

それが携帯電話必須の気配になってきた。
世の中はすでにそんなふうなのか。
同窓会の出欠も携帯のメールにくれっていう。ああ。