父母の眠った夜更けに、ときどき足音をしのばせて表に出たものだった。中学生や高校生だった頃。裏山の木々が、風にざわざわ鳴るのを聴き、道端に寝転んで、星を見た。夏は向かいの田んぼの蛙が鳴いていた。月明かりに、電線が五線譜のように浮かぶのを、ド…
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