あれは奇妙に寒い夏だった。真夏でも長袖でいたし、本州の北のほうまで行くと、9月なのに、ときどきはストーブを焚いていた。その夏に、北に住んでいた人が教えてくれたのが、嵯峨信之の詩だった。机の上に詩集が置かれていたので、「何がいい?」と聞いた…
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