母を売りに 谷川俊太郎 背に母を背負い 髪に母の息がかかり 掌に母の尻の骨を支え 母を売りに行った 飴を買い母に舐らせ 寒くないかと問い 肩に母の指が喰いこみ 母を売りに行った 市場は子や孫たちで賑わい 空はのどかに曇り 値はつかず 冗談を交し合い 背…
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