夕ざくら


 雨の音で目が醒めた。昨日からずっと雨。これからまた激しくなるみたい。

 昨日の午後郵便局へ。ニュースレターの発送終える。一段落したので、夕方、子どもとふたりで2階の窓から花見をする。私は水割り。子どもは水。胡桃のかけらを、握った両手のどちらかに隠して「どっちかな」をしてしばらく遊んだが、絵本もおもちゃも何にもない部屋で、やがて退屈したらしい子どもに、窓を閉められカーテンも閉められて、おひらき。全然、飲み足りない。
 雨中の桜。きれいで、しずかで、見ているのがこわくなるようで。

取り返しつかぬ閑けさ夕ざくら (永田耕衣)