石の上に

 雨上がりの朝、外に出てみると、向かいの森の紅葉は一気にすすんだようで、雨に濡れた赤や黄色の葉がきれい。3年前、子どもが生まれて、退院して帰ってきたとき、こんなふうだった。たった1週間で、秋が深くなっていた。
 
 石の上に秋の鬼ゐて火を焚けり  富澤赤黄男
 
 という大好きな句を思い出す。なつかしい景色の気がする。故郷の通学路沿いの空き地あたりかどこかで、そのような鬼を見たことがあるような気がする。
 
 昨日の日曜日は子どもの七五三。千歳飴をさげて写真をとるが、親子とも普段着。飴でもなければ、なんのことやら。
 子どもは最近、おえかきで、まるがかけるようになった。なんだかひよこまんじゅうみたいなかたちの大小の「くるま」が、紙の上をてんで勝手に走っている。