平成20年7月7日

今月末、ひさしぶりにフィリピンに行きます。29日から2日まで。1年7か月ぶり。
チャイナエアライン台北乗継がだるい。移動で一日つぶれてしまうのが悔しいが、値段を考えたら、やはりこれ。
パヤタスにいられるのは、なか3日間。ああ、レティ先生に会える。レティ先生に会いたい。

……母親が5日間も子どもを置いて、ひとりで海外かね。
(という意識を向けられていることには、気づかないふりをする)
パパと子どもが、いいというから、いいんだよ!

で、ちびさんが幼稚園に行ったあと、格安チケットの代金を払いに、私は久しぶりにひとりで電車に乗って街へ降りる。
気がつくと夏になっている。
銀行に行ったり旅行代理店に行ったり、本屋に行ったり。
久しぶりの紀伊国屋。読みたい本が、どっと目の中にとびこんでくるが、ああ、金がないっ。
結局、悩んだあげく、何にも買わず、題名だけメモって帰る。紙きれなくさないうちに、こっちにメモっとく。

「ラヴ」トニ・モリスン 早川書房
「戦争ノート」マルグリット・デュラス  河出書房新社
「玉ねぎの皮をむきながら」ギュンター・グラス 集英社
「老年の価値」ヘルマン・ヘッセ  朝日出版社
「愛されえぬものたち」ベルラ・Sの日記より  吉夏社
ほかに、カレル・チャペックとドリス・レッシングの新刊など。

書いとけば、いつか読む機会もあるだろう。
あと、詩歌の棚で(たいした品揃えではないが、他の本屋よりはましで)立ち読み。立っているのがしんどいのですわり読み。それもしんどくなって、あきらめて店を出て電車に乗る。

知人の老夫婦のところに春以来だ、顔を出す。パパと子どもが、迎えに来てくれる。しばらくそこで、おしゃべりして(ちびさんはお菓子を食い散らかして)帰る。

新聞の日付を見せながら、「この日よ」とおじさんが言う。「日中戦争がはじまった。盧溝橋事件。忘れもせん。昭和12年7月7日。わしは10歳やったが、町に提灯行列が出たわい」。

ほんの70年ほど前の、この国。
71年後、平成20年7月7日の夜、私は家の近くのごみ捨て場付近で蛍を見た。

↓フィリピン語の歌。たまさかゆきあたり、聴き入ってしまった。タイトルから類推するに、たぶん、祖国、についての歌。Asin - Ang Bayan kong Sinilangan