運動会

昨日の運動会。
ちびさん、とってもがんばった。
終わったあと、みんな金メダルをもらったんだが、もらった金メダルを首からさげて、「ぼく、うんどうかいがんばったから、もらったの」とうれしそうだった。

たぶんこんなことだろうとは思っていたんだが、最初は入場門にひとりで行けない。親たち子どもたちごった返して、いつもと違う園庭、なのである。子どもたちさわがしいし、音楽うるさいし。ちびさん、竦んでいる。
入場門のみんなが並んでいるところまで連れていって、とりあえず先生にあずけた。
ちびさん、あや先生に抱っこしてもらう。
離れたところから見ていたんだが、ときどき耳をふさいでいるのは、まわりのさわがしさが、つらいのだろう。でも抱っこしてもらうのは好きなので、にこにこしている。
そのあと、ようこ先生に抱っこしてもらったまま、入場。
抱っこしてもらったまま、準備体操。地面に下ろされると、先生の足にしがみついている。

そのあとすぐにリレー。見かねて私は近くに行ったのだが、やはりちびさん、ひとりで走れる状態でなく、あや先生と一緒に走ってもらう。そのあとは私がしばらく抱いていた。

リレーが終わったころからは、だいぶん、まわりの雰囲気にも慣れてきたみたいで、そのあとの演目は、なわとびもパラバルーンも、入場は先生に連れていってもらっていたが、なわとび跳べませんが、跳べないなりに、一生懸命やっていた。びっくりした。
練習さぼりまくっていたくせに、よくおぼえているもんだ。

演目の間の待ち時間、テントの柱をもって、くるくるくるくるまわっていた。ひとりで、ひたすら、くるくるくるくる。


夜、パパが撮っていたビデオを見たんだが。
ちびさん、あや先生に抱っこしてもらっているとき、あや先生の髪の毛噛んでるし、ようこ先生に抱っこしてもらったら、ようこ先生のホイッスル鳴らしているし。
先生ごめんなさい。ほんとうにありがとうございます。

「これ、子どもの顔とちがう」と思ったのは、演技のときの表情だ。「子どもの目とちがう」。
ときどき、子どもらしい一生懸命、とか、あどけなさとかではない、鬼気迫る目をしていて、親たちふたりとも、声を失った。
「こいつ、すげえ」とパパが言った。

私は、長いこと忘れていた言葉を、思いだした。
「真剣」

人間が真剣になったときの目というものを、久しぶりに見させてもらった。感動したのである。