貪欲な子ども

金曜日、おじいちゃんが来て泊ってゆく。
夜ごはんを食べにゆこう。
「ぼくはお子さまランチがたべたい。」
嘘である。ファミレスの入口に売っている玩具がほしい。
くるくる寿司に行くのだと言ったら泣く。
そんなら、あんたひとりで留守番しなさい、と言われるはずが、
おじいちゃんは甘いのである。
おもちゃ屋に行ったあとに、寿司屋に行くことになった。
で、ちびさん、また電車買ってもらっている。

土曜の朝、おじいちゃんは大学。パパは老人会のボランティア。
ちびさん、退屈して、私をこきつかう。目の前に牛乳パックをどんとつみあげて、あれつくれ、これつくれって、うるさい。家一軒つくる。
おじいちゃん、お昼に、あれこれお昼ごはんを買って寄ってくれる。
ちびさん、食べたあと、帰ろうとするおじいちゃんをひきとめて、ドライブに行こうと要求する。
それで車に乗ったら「ぼく、おなかすいた」と言うんである。

このちび、おじいちゃんを骨までしゃぶりつくすつもりである。
「ファミレスは行きません」と私が言うと、泣く。
「ぼく、家にいるのも、ドライブもいやなんだ」という。
そんなら、リスのところに行け、それとも熊がいいか、イノシシのところか、とふだんなら言われて泣くはずが、
おじいちゃんは甘いのである。
さすがにファミレスには行かないが、スーパーでがちゃがちゃを買ってやっている。
それでたちまち笑顔の子どもだが。

このちびの貪欲を、私はゆるせないんだが。
おじいちゃんは、息子の子どものころににそっくりだと言って笑っている。なんでも、このちびのパパは、弟の分も、と言ってふたつ玩具を手に入れて、ふたつとも自分のものにしていたらしい。

このちびの貪欲を、私はゆるせないんだが。

ちゃんと片付けるって、片付けたためしがないし。
ひとりで片づけるのむずかしいの、とか泣くし。
じゃあ、玩具捨てよう、というとまた、泣くし。

いい天気で、子どもが家にいる一日は長い。
ああ、長い連休がはじまった。