自分の気持ち

「ぼく、はやくおわるといいなあと思うんだ。2時まで、がまんできないような気がするんだ」
と朝、靴をはきながら言う。
なんで、ってきいたら「はやく帰ってママといっしょにいたいんだ」

「でもさ、家にいるのも幼稚園に行くのも、どっちも大事なんだよ。それは、家も幼稚園もきみの居場所だからだよ。居場所っていうのは大事なんだ。居場所がないと、人間はとってもつらくなっちゃうんだ。だから今きみは、家と幼稚園っていうふたつの居場所を大事にしないといけないんだよ。」

みたいなことを、言ってはみるが。

新学期。ちびさん、幼稚園に行くのがゆううつなのである。
そういえば、去年の今ごろも、バスに乗れなかったりおなか痛くなったり、ぐずったりしていた。「ぼく、じんせいがつまんないんだ」とか、言ったりしてたな。

幼稚園バスにのるとき、ちびさん、先生に言っている。
「ぼく、はやくおわるといいなあと思うんだ」
すると先生がこたえている。
「そうだね。わたしもそう思うよ。いっしょだね」
ちびさんが、うなずいてバスに乗ったあと、先生と私と、笑った。 

なんか大人の会話っぽいぞ。
自分の気持ちを伝えられるのは、りっぱりっぱ。