さて、新学期。
元気に幼稚園に行ったが、帰ってくるとこう言った。
「ぼく、もう、おともだちと遊びたくないような気がするんだ」
なんでも、帰りのバスのなかで、そお君に話しかけたら、「しいーっ」って言われて、話を聞いてもらえなかったのがショックだったらしい。
「でもそれは、きみは家でもよく言われてるでしょうよ。うるさい、とか、だまれ、とか、しいーっ、とか。そういうときはどうするの。ああだまっとくほうがいいんだな、と思ってしずかにする。」
だいたい想像はつくんだが、一応聞いてみる。
「それで、そお君になんのお話をしたかったの」
「道路公団パトロールカーが走っていたんだよ。窓から見えたんだ。それで、その道路公団パトロールカーは、台風で静岡の道路が壊れて、ガードレールも壊れていたときに、そこにも来ていたんだよ。」
というような話をしたかったらしい。
そりゃまあ、しょうがない。「しいーっ」と私も言いたい。
「だからさ。きみが話したい話を、聞かされるほうは、いつも聞きたいとは限らないの。しいーっ、ていうのは、その話はいまは聞きたくないということなの。だから、そういうときは黙って、きみが、おともだちの話を聞くようにすればいいんだよ」
「うん、わかった」と消え入りそうな声で言うが、まあ、わかってないだろうな。傷ついたうえに説教までされるのはかなわないらしく、そそくさと逃げ出した。
こういうことは、これからたくさんあるだろうな。
道路公団パトロールカーの話題のように、きみが楽しいと思える話を同じように楽しいと思ってくれる同級生が、そうそういるとも思えないが、いい友だちにめぐりあえるといいね。
元気に幼稚園に行ったが、帰ってくるとこう言った。
「ぼく、もう、おともだちと遊びたくないような気がするんだ」
なんでも、帰りのバスのなかで、そお君に話しかけたら、「しいーっ」って言われて、話を聞いてもらえなかったのがショックだったらしい。
「でもそれは、きみは家でもよく言われてるでしょうよ。うるさい、とか、だまれ、とか、しいーっ、とか。そういうときはどうするの。ああだまっとくほうがいいんだな、と思ってしずかにする。」
だいたい想像はつくんだが、一応聞いてみる。
「それで、そお君になんのお話をしたかったの」
「道路公団パトロールカーが走っていたんだよ。窓から見えたんだ。それで、その道路公団パトロールカーは、台風で静岡の道路が壊れて、ガードレールも壊れていたときに、そこにも来ていたんだよ。」
というような話をしたかったらしい。
そりゃまあ、しょうがない。「しいーっ」と私も言いたい。
「だからさ。きみが話したい話を、聞かされるほうは、いつも聞きたいとは限らないの。しいーっ、ていうのは、その話はいまは聞きたくないということなの。だから、そういうときは黙って、きみが、おともだちの話を聞くようにすればいいんだよ」
「うん、わかった」と消え入りそうな声で言うが、まあ、わかってないだろうな。傷ついたうえに説教までされるのはかなわないらしく、そそくさと逃げ出した。
こういうことは、これからたくさんあるだろうな。
道路公団パトロールカーの話題のように、きみが楽しいと思える話を同じように楽しいと思ってくれる同級生が、そうそういるとも思えないが、いい友だちにめぐりあえるといいね。