ナイトメア

男に捨てられる夢を見た。
やれやれまたか、と夢のなかで思っている。
しばらく家を留守にしていたので、もう帰る場所はないんだそうだ。
ずっと前から考えていた、だからもうそうなるしかないのだ、と言われても、そんなこと、言葉にされるまではわからないし、されたときにはいつも突然である。
さて、出て行かなければ。
もう仏壇も新しくしたから、古い仏壇は持ってゆけと言われる。もってゆけといわれてもどこへ持ってゆけはいいのか。ひとり暮らしには大きすぎる仏壇。
仏壇を売りにゆく。配送料だけで、ともだちがもらってくれるという話がつく。店でともだちが手続きをしている間、ふと外に出ると、そこはゴミの山で、夜のゴミ山が自然発火の炎で真っ赤に燃えている。
店のなかにともだちを呼びにゆくと、その間に、炎はもうひろがっていて、あたりの人家も燃えている。
目の前の燃える子を、助ける力が、なぜ私にないのか、水はないし、どうすれば火が消えるのか、消せないなら一緒に燃えるべきなのか、立ちすくんだところで、目がさめた。

さて。
雨だけど、墓参りに行ってこよう。
海を渡って四国まで。