真ん中で遊べ。

部屋のすみっこ、というか、すみっこから真ん中へ向けて、雪崩おちそうになっている、牛乳パックとか、空き箱、空きパックの類、つまり、
ちびさんが毎日幼稚園から持って帰る船や車や家や車庫やその他あれこれ。それから、たんすの前につみあげてある紙屑、もとい、落書き、もとい、作品のあれこれ。
捨てたいけど、すぐに捨てたら傷つくかしらと思って、放っておくとすごいことになってすごいことになって。

四角い部屋はもう丸くしか掃かないし、掃除機きらいだから箒でしか掃かないし、埃、見えなかったことにしていたら。

ゆうべ、ちびさん、すみっこのぐちゃぐちゃしたところにわざわざもぐりこむ。もぐりこむのだ。やめとけって言ったのに。

一瞬後、かゆいかゆいと言いだした。顔も体も湿疹だらけ。
埃にかぶれたんだな。

パパがついに怒った。なんで掃除しないんだ。なんで幼稚園からわざわざごみを持って帰るんだ。なんでそれをいつまでもとっておくんだ。

もっともです。もっともです。怒んないで。怒んないで。

ちびさん、皮膚は弱いので、薬は常備してある。あわてないあわてない。薬塗ったら平気だから。数時間後には湿疹も消える。

ほら消えた。

でもちびさん、部屋の真ん中にいてください。部屋のすみっこに行くな。
しつこくしつこくしつこく言い聞かせる。そうでないと、牛乳パックの船も家も車も車庫も、ぜーんぶ捨てられるよ。

それでまた今日、ちびさん、持って帰りました。牛乳パックの新しい車庫。

わたしもう、どうしていいかわかんない。

なんというか、私の管理能力をもうはるかに超えて、いろんなものが、どんどんどんどんどんどんどんどん溜まってゆくわけです。
もう、どうしていいかわかんないので、どうしようかと半日考えたあげく、ひきこもって机の前にすわっている。

すると、ちびさんやってきて、一緒にパソコンで遊んだりするわけです。そうするうちに、晩御飯どうしようか、という時間になって、だから、また明日考えよう、と思って、明日の今頃も、きっとまた、明日考えよう、と思っているかもしれない。

ちびさん、部屋の真ん中で遊べ。真ん中で遊べ。
すみっこにゆくな。