ダンゴムシ

通学班の集合場所の公園まで送っていく。
1年生の女の子が、私の足もとで何かをつかまえる。
ぐうの手が目の前に伸びてきて、ぱっとひらかれる。
「これ、ダンゴムシ」
それから虫を眺めたりひっくり返したり。
「これ、オスのダンゴムシ」
えっ、メスとかオスとかわかるの。
「わかるよ」
どこがちがうの。
「オスはこうだけど、メスはこうじゃない」
……よくわかる説明だ。背中の色とか模様が違うらしい。ひっくり返して卵を抱いているかいないかも違うらしい。
でもたぶん、気持ちでわかるのかもな。
女の子、ダンゴムシ握ったまま、歩いてった。

りくもたぶん、一緒に通学した、と思う。