夢のなかに

夢のなかに。
子どものころ隣に住んでいたおばさんが来て、「薬代がいるのよ」と言う。そうか、おばさん、たくさん薬いるもんね、とお金を渡して(なぜか私がそのコミュニティのお金を管理していた)、でも残りがないし、私のご飯代が工面できないなあと思っていると、私の母が来て、「あんたは食べんでも。寝てればいいから、寝てれば」と言った。寝ていたらお腹がすかない、ということらしい。まあ、そうよね、おばさんの薬のほうが急ぐよね、と思っていたら、くー兄と呼んでいた親しかったお兄さんが出てきて、いや、このお金を持って行かんでも、何とかなるはずだぞ、と言って、いい解決策が見つかりそうな気配…というところで、目が覚めた。

目が覚めて、登場人物全員すでに死者だなあと気づいた。夢のなかでは生きてるみたいに自然だったのに。
母と隣のおばさんとくー兄と、あの3人の人たちは不思議だった。家族よりも家族のようで、面倒も迷惑もあたりまえのように分かち合っていた。子どものころ、おばさんもくー兄も毎日のようにうちに来て、貧乏とか病気とか子どもの問題とか人間関係のこととか、いろんなことを話しているのを、私も耳にしながら、ひとつひとつのことに親身になるという感触をあたりまえのように感じていたけど、今にしてそれは、得難いつながりだったんだなあと思う。
何を話しても大丈夫な関係というのは、なかなかないもんだよね。

ほんとに久しぶりに、なつかしい人たちに会えて、うれしかったのでしたが、
「寝てればいいから」というわけにもいかず、起きましたけど。