だからさ、パパに叱られる前に片づけておこうよって、言ったのにさ。
片づけないで、叱られた子が、やってきて泣く。
「パパにそとでねろっていわれた」ぐすぐすぐす。
ああ、そりゃしょうがない。あんたが車や電車やつみきやレゴや線路を片づけなきゃ布団敷けないもん。ああ泣くな。ママもいっしょに外で寝てやるから。
でも外で寝ないですむ方法がひとつだけある。
「ママ、それはなに」
パパにごめんなさいを言って、大急ぎで片づけることだよ。わかったひと。
「はーい」
涙を拭いて片づけにいく。

「次から次へちらかして、片づけられない。ママそっくりだ。」
とパパは怒ったらしい。すると子どもは言ったらしい。
「ああ、だってぼく、ママだいすきだから。」

難しいんだよな、お片づけ。車を手にもったら、それを今度はどこに並べようか、とか、どう走らせようか、とか、考えてしまうもんな。片づけなきゃ、とか、そういうことは忘れるよな。よーくわかるよ。
わかるけど、私もきみの玩具まで片づけさせられるのは、いや。自分でやって。

で、玩具を片づけたあとも、きみにはまだ仕事が残っていて、お手伝いなんて3日で飽きてるけど、学校からもらってきた「おしごとおまかせカード」は一週間記録しなきゃいけない。△じゃなくて○がほしけりゃ、働きなさい。
ほら洗濯物たたんで。次はお茶碗洗って。
と追い回していて、なんだか、少女コゼットをこき使っているティナルディエのおかみさんになった気分。子どもにお茶碗洗わせて、私はよこでお茶のんでるの。なんかぞくぞくするしあわせ。
…あとで洗いなおすんだけどもさ。

今日は代休。午後毛糸を買いに手芸屋さんに行く。
去年は、絵本のねずみくんが来ていた赤いチョッキがほしいといって、私につくらせたが、今年は、教科書の挿絵のねずみが着ている青いチョッキがほしいんだって。まあそれくらいは、つくってあげるよ。でも今日毛糸買って、明日できたりはしない。子ども、買ってきた毛糸ひっぱりだして、あっちからこっちへ張りめぐらして遊んでいる。小さい頃もそういうふうに遊んでいた。毛糸をぴんと張って、直線ができるのが、快感らしいのだ。

夕方、虹がかかっていた。でもそのあと、また雨がぱらついたり。
明日は運動会どうなるんだろうなあ。