花の駅

12年前、息子が生まれた頃に、うちの近くを走っていた路線が廃線になった。ほんとに残念なことだった。ディーゼルカーでがたごとと乗っていくと、花の駅があった。さくら、れんぎょう、桃の花、咲きそろってきれいだった。沿道の人が手をふってくれて、夢のなかを走っているようだった。

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そこがいま花の駅公園になっていて、ディーゼルカーが置いてある。そこで花祭りするというので行ってきた。息子の友だちは都合が悪くて無理といっていたけど、昨夜になって委員長のK君からぼくも行くと電話がかかってきて、午後、男子ふたり連れて行ってきた。
お花きれいだし、屋台も出ていて楽しかった。廃線になったあとも、地域の人たちは手入れを続けてきたのだと思う。
男子たち、ディーゼルカーのなかとか、横とか、下とか、眺めまわして写真撮っていた。駅舎探検。臨時のトロッコ列車、空き箱ふたつつなげたようなのに乗った。屋台のうどんは売り切れで、男子たちコロッケを何度も買いに行っていた。ひととおり列車を眺めまわしたら、あとは花にも、舞台の演目にも興味はないのであった。列車の座席にすわって、ゲームをはじめた。

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神楽やっているよ、と声をかけてはみたが、相手にしてもらえないので、私はひとりで神楽を見た。
川に降りてみようよと、声をかけてみたけれど、道がないんじゃないの、と冷たくあしらわれたので、私はひとりで川に降りた。道はあるよ。なくても降りられる。降りるとそこにはつくしが生えていた。カンゾウナも生えていた。菜の花もすこしあった。晩のおかず見っけ。私はすっかり気がはれた。
摘んで戻ると、男子たちはまだゲームしていた。3時前には屋台も店じまいで、列車も出てくださいってことで、外に出たら、雨がふりはじめた。小雨のなか、ウェディングドレスの花嫁と花婿が、花と電車を背景に写真撮影をしていた。いいんじゃないかな。駅舎に入ると、駅舎では、地域の人たちが、大成功でした。お疲れさまでした。解散ってことで、駅舎も閉めるので、私たちも外に出た。男子たち、自動販売機まで行ったり来たりしながら、ゲームしている。
地元のおじさんが言うには、以前、島根からバスで来た人が、ここで列車が止まっているのを見て、あれに乗って行こうと思って、バスを降りたらしい。ところが、それは飾ってあるだけで動かない。次のバスまで3時間ある。困っていたから、町のほうまで車で送っていってあげたそうだ。

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降り始めた雨のなか、バスに乗って帰る。バス代節約のために途中までパパに迎えに来てもらうことにして(K君はそのままバスで帰っていった)、バス停降りたら田んぼで、ピーピー草(と呼んでいる、田んぼの雑草)があるので、ちぎってピーピー鳴らした。久しぶり。息子にも教えてやった。
夜ご飯は、カンゾウナとイカのぬた、つくし入り卵焼き、菜の花のおひたし。たいへんうれしい。ようやく春だ。それからコロッケ。
エニシダの苗を買って帰ったので、庭に植えてみた。

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