熱風

熱風。昼間の外の温度は何度だったんだろう。
こんな日に外に出てはいけないと思うけど、出ないわけにいかなかったりする。息を吸うと、胸に熱風が流れ込んでくる。心臓が灰になってしまいそう。
乾期のゴミ山は熱かった、と思い出す。山は自然発火していて、足もとでちらちら火が燃えて、足の裏が熱い。12月だったからまだよかったけど、あれが4月5月のもっと暑い時期だと、昼間はフライパンの上で焼かれるようだろう、きっと。早朝と夜、働く人が多くなる。
原爆のあとに、帰ってこないお父さんを探して、お父さんの金歯を探して、死体の唇をめくって歩いた、という話を昔聞いたのを、いきなり思い出したりする。
まったく、この世ならぬ世界にいるみたいな感じの、暑さ。

夕方は雷雨。雷がこわいので、子どもが貼りついて離れん。
夕立がまた、ものすごい音で、すると子ども、あーあーうーうー、うなり出す。意味不明の奇声は、雨の音がこわいんだな。雨音がしずかになると、「ぼくが歌ったから雨がしずかになった」という。
祈とう師みたい。雨にも負けず、なのか、雨に歌えば、なのか。
また雨音がはげしくなると、またうなり出す。雨音と奇声の両方聞かされる私はかなわん。

夏休みは夏休みで、町内会は忙しい。パパは今日は盆踊りの練習にジュースの差し入れをしに行った。昨日は、夏休み夜間パトロール。中学校の校長先生も一緒だったらしい。数日前に、隣接する区内の県立高校で、三者面談の直後に生徒が校舎4階から飛び降り自殺したという事件があって、おおごとらしい。生徒の成績をあげろとかいう前に、学校の耐震化が都道府県で46番目。つまり下から何番目だ。そっちが先だろう、金を出すのが先だと校長はぼやいていたらしい。

それは大事だ。金を出すのが先だ。

朝顔。昨日3つ。今日は0。豪雨で6連休だったときに枯れかかったらしく、あまり元気じゃない。このやる気のなさが、ほとんど自分を見ているようだわ。がんばれ、朝顔