街のオーケストラ

日曜日。広響の巡回コンサートが、区民文化センターに来るというので、息子と行ってきた。街のオーケストラのコンサート。楽しかった。こういうのはいいな。
ヨハン・シュトラウスポルカは、トムとジェリーに使われていた音楽だそうで、息子が、トムがこんなふうでジェリーがこんなふうでって説明してくれたわ。オーケストラの舞台の上で見えない猫とネズミが踊っておりました。そういえば、モーツァルトトルコ行進曲も、息子にはトムとジェリーの曲なのだ。指も届かないのに弾いていましたっけが。最近弾かないな。アンコール曲は、広島カープの曲でした。…広島だよっ。街のオーケストラだよ。
広島は、今でも私には異郷の感じなんだけど、にもかかわらず、自分が広島の子どもの親であるというのは、いまだに奇妙な感じがする。継母かしら、っていう感じ、たぶん子どもは生まれ育った風土の子どもでもあるのだ、私、子どもがふと広島弁をつかったりすると、どきっとするもんね。

昔、四国のはしっこに住んでた子どものころに、町の公会堂にサーカスがやってきたのを見に行ったことなんか、思い出した。小学生のとき。...
南米からケーナを吹く人たちが来たのは中学生になったときで、兄がチケットを買ってくれて、友だちと一緒に行ったのだ。観客が、終わったあとに、舞台のカーテンの裾から、なぜかトマトを差し入れて、するとそこから握手の手が出てきた。あの手は遠く南米から来たのだ。
そんなわけで、郷里の夜空は、ケーナの響き。

日中国交回復のあとぐらいのころは、何回か中国物産展があって、100円玉何枚かで買えるものってたかがしれていたけど、楽しみだった。その公会堂もいまはない、と。