目にとまった記事

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神戸少年連続児童殺傷事件の加害元少年の手記を受け止められない現代日本社会の闇 by 藤原敏史・監督
http://www.france10.tv/social/5184/



記事で触れられている小松川事件の、李珍宇の書簡集は10代の終わりに読んだ。私には大事な一冊で、思い出して胸が痛い。読まなかったら、ちがう人生だった。冬の間ずっと読んでいた。おまえは何ものかと問われるような、心臓に手がつっこまれて、ひっくり返されるような、痛みのような、鏡のような。あんな読書体験って、生涯に何度もない。
あの時期、私は殺人犯の手記に寄り添ってもらって、母が死んだあとの孤独を耐えたのだと思う。李珍宇が処刑されたことは、私は悲しかった。
そういえば、この事件が起きたときに、私がまず思い出したのも、李珍宇の事件だった。「絶歌」は読んでないし、あえて読む気もないんだけど、記事が言っていることは正しい気がする。そしてそれが正しければ、Aが生きていくことは(本を書いたことも含めて)、だれからも見えないところにいる少年Bや少女Cに寄り添い、彼らが生きることを励ますこともあるかもしれない。