段々畑

Img_3385_6 遊子。
ゆす、と読みます。
宇和島の海岸沿いをずっとたどっていくと、ゆきつく。
リアス式海岸の海に面した山の斜面を、山の上まで切り開いた、遊子の段々畑は、有名、かも。

大阪にいたはずの叔父が、退職して帰ってきている。かずみが帰ってきたら寄れ、と言っている、というので寄ると、元トラック運転手の叔父は、今はボランティアで観光案内とかしているらしく、パンフレットをごっそりくれる。それでふと、遊子の段々畑の写真が目にとまり、見に行こう、ということになった。

ほんの50センチほどの幅の段々畑が、山頂まで続く。これはなかなかおそろしい眺めだ。土地がなくて食えないからそうなっているのだが、いまはたぶん、観光用に一部をのこしているだけで、おおかたは、もとの山にもどりつつある。よく見ると、山の茂みのなかに、かつての段々畑の跡らしい石段が見える。
石段のぼる。子ども、足場の悪いところを、けっこうしっかりのぼる。
わりと、断崖。
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元トラック運転手の叔父はよくしゃべる。観光ガイド、「わしがしゃべったら、嘘ばっかりしゃべるからな、わしはしゃべらんのや」と言う。そりゃそのほうがいいだろう。
一方、いつも釣りに連れていってくれるもうひとりの叔父は、おそろしく無口。ふたりとも父の弟。
男ばっかり9人兄弟のうちの3人が、奥さんに死に別れたり、奥さんに追い出されたり、結婚しなかったりして、それぞれ、いま郷里でひとり暮らししているわけだった。

そいで。

しゃべるほうの叔父が、同級生がやってるという寿司屋に私たちと父と兄とを連れてってくれる。寿司、もちろん叔父さんのおごりだが、高くついたに違いない。
子どもは、店の、ジーコロロジーコロロとまわす、ピンク電話が気になる。初挑戦。177の天気予報聞いていた。