お母さんの仕事

またかよ!
と思いつつ、私はお母さんなので、先生にお手紙書き書き。中学生になってからは最初の手紙。

「(略)息子から少し気になることを聞きましたので、お手紙いたします。
5月半ば頃、親しくなったF君に、殴られたり蹴られたりするということがあったそうです。たぶん悪気があってではなく、じゃれているのだろうと思って、1週間ほどは我慢したそうですが、痛いしいやだし、どうしようというので、それはやめてと言うべきだよと言いました。それで、痛いからやめてと言ったそうですが、その後数日して、先週半ばにまた殴られたり蹴られたり、ということがあったそうです。何回かやめてと言ったらやめてくれた、ということでした。
そんなことがあり、すこし警戒する気持ちが出てきたといいます。でもF君ももうやらないかもしれないし、自分もいやなことははっきりいやと言えるようにがんばってみると言っています。
F君は自分では乱暴をしたとは思ってないかもしれないし、まだ先生に相談するほど深刻ではないと、息子は思っているようですが、親としては、小学校低学年の頃から、叩かれたりいじめられたりの対象になりやすい子でしたので、すこし危惧しております。人間関係で、誤解があったり困惑する場面も多いように感じます。人から何かをしかけられたときの対応にとまどうようです。
何か困ったときには、ひとりで我慢せずに、先生に相談するように言いましたので、よろしくお願いいたします。
それから、息子は規則をきちんと守る子ですが、たとえば身の危険を感じたときには逃げてもいいこと、そのときは日頃通っていけないことになっている場所も通ってかまわないことを、言っていただけるとありがたいです。(略)」

コミュニケーションの手段が、そういう軽い暴力になっている男の子はどこにでもいるけど、またかよ!  みたいな。息子はまだ先生に言ってほしくないようだったのだが(たぶん、報復が怖い、相手がかわいそう、自分が過敏なだけなのかもしれない、などなど入り混じった気持ちで)、言うべきなので、だいたい上のような手紙書いて、今朝息子に見せたら、渡してもいいというので、連絡帳にホッチキスでとめた。
さっき担任から電話。息子と話してもいいかというので、大丈夫です、よろしくお願いします、と答えた。

いやなことはいやだと最初から冷たく言い放つべきなんだよと言うんだが、いやなことかどうかが、なんだか自分のなかではっきりしないまま、我慢しているとも気づかないまま、我慢してしまうようなんである。手紙を読んだ息子、どうしてぼくの考えていることがわかるの、と言うが、だってそっくりなんだもん。
暴力で痛いとわかるのはわかりやすいんだよ、わかりにくいのは、いやだとわからないまま、我慢していると気づかないままに、5年10年と関係がつづいて、そのうち精神がおかしくなってしまったりするから、気をつけなきゃいけないんだという話は、まだ難しいだろうかな。

息子の納得を得るのも大変なんだが、「ふざけるな、いつでも学校に行くぞ!」と怒り出すパパをしずめるのも大変なんだわ。まあまあ手紙書いたから。
思うに、参観日というのは大事ですね。相手の子は、こないだの参観日で見ていて、たまたま言葉も交わしたので、顔がわかる。それだけでも、イメージが結びやすく手紙も書きやすい。イメージができないままに、やりとりをしなければいけないのは、けっこうきついのだ。

今日はお泊り保育、ではなく学習合宿とかで帰ってこない。明日の夕方、心を軽くして帰ってこれるといいな。