豚もおだてりゃ

休みの日、息子の友だちのWくんが遊びに来たので、ケーキつくった。いつものようにホットケーキミックスを炊飯器に入れてつくったのだが、マヨネーズを少し入れるとふくらむよ、と見たので、実験実験、ほんとにふくらんだ。5月に畑で採れた苺を冷凍しといたやつをたくさん並べた。手伝ってくれたのは、息子ではなく、友だちのほう。
午後いっぱい、ゲームしていた。

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息子、テストで100点とってもほめてくれない、というのが不満だそうである。
ママはぼくが100点とっても冷たいって言うんだが、そうかな。でも、だって、100点のテスト見せられても、することは何もないし。よかったねぐらいは言ってると思うんだけど。
98点なら、どこ間違った? ってどきどきするし、80点なら、間違いかたの癖や考え違いみたいなこともわかって、課題をはっきりさせましょうという気になるし、受験のために受けてみた、夏休み前の模擬テストの算数46点なんて、することたくさんありすぎて、夏休み忙しかったし。(でも夏休み明けには76点になっていたでしょう。伸びたんだからいいじゃん)

あのさ、きみは自分がどれだけほめてもらっているか、気づかないだけだよ。
きみが小さいとき、パパはよくこう言っていた。
「ネジも巻かないし、電池も入れていないのに、動くんだぜ。すごいよな」
ごそごそ動いただけでほめられてたんだよ。動いただけで。
赤ちゃんのとき自力で▲を出せなかったり、トイレトレーニングが難しかったり(ポットンは穴がこわいし、水洗は水音がこわい) してたから、おむつのなかでも、パンツのなかでも、トイレでも、どこでも、
きみが▲する度に、パパは「よくやった」って大いにほめてくれたし、今だって絶対ほめてくれるでしょう。
(だから、叱られたり、逃げたくなったら、彼は今もトイレに行くのだ。そんで、「▲してきた」って言うと、パパは絶対ほめるのだ。)
もう12年間も。▲しただけで、▲する度に、ほめてもらえる子なんて、そんなにいないと思うよ。

そりゃあ、豚もおだてりゃ、木にのぼると思うよ。
それで、木にのぼった豚はそれからどうなると思う?

息子、少し考えて
「…落ちると思う」

よくわかってんじゃん。いつか豚は、豚自身にもどるために、墜落しないといけなくなるよ。
木にのぼりたかったら、ほめられずにのぼりなさい。