かくれる理由

午後、いつものムーミン(息子の同級生)が遊びにくる。今日はふたりだけみたいだ。ふたりで遊んでいればいいものを、退屈したらしく「おかあさんも遊びましょう」と誘いにくる。いろいろとしなければならないことはあるので、でもそれ以上に、あんたたちと遊ぶのはしんどいので、いやだ、と言って逃げたのだが、「ふたりで土下座して泣きますから」と、ほんとに土下座する。
(いや、むかし私、児童館で働いていて、子どもの遊び相手が仕事で、遊び出したらハンパなく疲れるから、息子の友だち来ても、あんまり近寄らないようにしてたのだが)
「ほらみて、ほんとに涙が出た」とムーミンは言うし、あんたの涙なんかいらんわい、一緒にウノすることになった。最初の数回ムーミンが勝ったが、そのあとは私が連続で勝ち続けた。一勝もできない息子が、だんだん怒りだし、勝つまでやめないと言い、それがまた、勝てないものだから、えんえんつづくし。やっと勝ってくれたときには私もほっとしたよ。
それから私は畑に行く。雨の度に秘密基地の屋根が沈んでいるのをなおさないといけない。そのまま、基地にもぐって昼寝した。この齢になってなんのかくれんぼだか。30分ほど寝て帰ると、ムーミンももう帰ったあとだった。