ピアノと読書

と書くと、いかにも優雅な休日みたい。
まあ、平和に過ぎた。

土曜日の音楽教室のとき、もうひとりピアノの個人レッスンを受けているMちゃんと連弾をする。テキストの、先生と生徒が連弾をする曲の、なぜか先生のパートを子どもはむきになって練習して、弾けるようになったので、ふつうに生徒のパートを練習しているMちゃんに連弾を申し込んだのだった。
クラスのみんなとお母さんたちに聴いてもらって、はい、上手にできました。

なんだけど、私は楽譜もよめないのであれなんですが、おもしろかったわ。Mちゃんの伴奏は力強くてゆるぎなくて、きっとお尻の大きなしっかりもののお母さんになりそうだと思った。
りくは、……うわずっている。高音部を担当したという理由だけではないな、なんていうか、日頃からぼくは白昼夢のなかで生きてますっていうような、音だなあ。
リズムが狂わなかったのは、しっかりした伴奏のおかげでしたね。

図書館に行く。「怪傑ゾロリ」と「海賊ポケット」のシリーズを借りる。
図書館では、どうしてそんなふざけた内容の本を、そんなに真剣な顔で読めるのかと思うくらい真面目な顔して読んでたが、家ではまた様子がちがうんである。

基本、音読。歌の場面では勝手に節をつけて歌う、セリフは叫ぶ、怒鳴る、跳ぶ、走る、挿絵のなかの擬音語擬態語省略しないで、うなる。
うおおおおおおっ、っとか叫びながら廊下を走る。(穴あくぞ)
一人芝居するのだ。
これが、かなりうるさい。

まあまあ静かになったなと思ったら、絵をかいていて、かきあげた電車の絵(これも相当にうわずった、というか雑な)を、雑誌と一緒にもってきて、ここに送る、という。
見ると、「こども時刻表」という雑誌の、電車の絵の投稿欄。

んー、その雑誌はねえ、後ろの発行日を見てごらん。1991年ってことは、ずっと昔でしょう。きっともうその本はないと思うよ。しかも「こども時刻表 東日本」でしょう。ここはあいにく西日本。
なかなか楽しい雑誌ではあるのだ。まだ若い俵万智さんが、電車に乗って旅をしていて、その写真とエッセイが載ってたり。冒険家の河野兵市さんがまだ生きていて、探検の話を書いていたり、まどみちおの雪の詩が載っていたり。
昔、東京にいたときに、児童館の図書室にあって、ぼろぼろだからもう捨てる、というのを、もらっておいたものなんだけど。
まさか自分に子どもができて、その子どもの愛読書になろうとは思わなかったわ。
かれこれ20年前の雑誌が。

というわけで、週末の宿題の日記は、読書の話。

「十二月十九日 日よう日
  ぜったいぜつめい
 きょう、かいけつゾロリのぜったいぜつめいという本をよみました。
 ゾロリ・イシシ・ノシシがどくドリフをたべて一たまりもないとおもいました。」

どくドリフというのは、どくきのこ+トリュフのパロディですね。
ひとたまりもないんだそうです。