庭のこでまりが咲いた。
牡丹も咲いた。
牡丹はこないだ義父さんがもってきてくれたもの。うちに植えても、花咲かないんですけど、蕾をつけたのをもってきてくれたので、今年だけは咲く。
庭は、ドクダミやマウンテンセージの涼しい匂いがしている。
木の模様にまぎれてしまいそうなトカゲ（？）
向かいの森で、鳥たちが鳴く。
連休初日、息子はひとりで電車に乗りに行った。尾道あたりまで。乗ったり撮ったりしたい電車がそのあたりを走ったらしいのだった。途中の駅で、約束もしていなかったのに、学校の先輩に会った。先輩は部活をさぼって、電車を撮りに来ていたので、ここで会ったことは内緒にしといてくれと口止めされたらしい。
尾道は映画の舞台になったよね、と言うと、
「ああ。東京物語だよね」と息子が言う。
え？
私は、大林宣彦監督の尾道三部作「転校生」や「時をかける少女」なんかを思い浮かべていたのだが、息子はそれらの映画は知らないと言う。
なのに、東京物語は知っているという不思議。
彼にとっては、どれもこれも、生まれるずっと前の話だ。
ずっと昔、大林監督の映画が好きだという女の子と一緒に町を歩いたことがある。彼女の、その後の消息を知らない。
ごめん。いい友だちになれなかった。
夜、東京の友人が一泊してゆく。息子が、撮ってきた電車の写真や動画を見せたがるのにつきあってもらって、ありがたいことでした。
朝、バス停まで送ってゆく。天気がよくて、山の緑が目が痛いほど眩しかった。
五月の庭は明るい。去年の巣に戻ってきたツバメは、卵をあたためている。ちょうど玄関前に糞がたまってゆくんだけど。
畑には、枝豆植えたりさつまいも植えたり。いちご、最初の一個を今日収穫。
