2010-05-08から1日間の記事一覧

Rについて 5

引き続き。朴寿南の文章をつづける。 「少年は『それをした私』である主体と犯した行為──体験のあいだを隔てている『ヴェール』、『私に殺された彼女たち』の死と『それを思う私』のあいだの乖離を『人を殺しても無感動な』『私の本性』と名づけている。(略…

ころぶころぶ

子どもは元気で小学校に通っている。それでもって血だらけでかえってきたりする。こないだは先生が心配して電話をくれた。 転ぶのだ。 よく転ぶ。朝は、下りの坂道の急カーブを曲がりきれずに転び、帰りは、下校班ごとに運動場に集まる雑踏のなかで、押した…

Rについて 4

ひきつづき朴寿南さんの文章。 追いつめられてゆく少年の、自己疎外の果ての犯行。 「仮りの舞台でのお芝居がおわるときがくる。就職、高校進学、あるいは、初恋──それは思春期にやってくるのだ。戸籍簿が要求されるとき、わたしたちは、存在証明として登録…