ころぶころぶ

子どもは元気で小学校に通っている。それでもって血だらけでかえってきたりする。こないだは先生が心配して電話をくれた。

転ぶのだ。

よく転ぶ。朝は、下りの坂道の急カーブを曲がりきれずに転び、帰りは、下校班ごとに運動場に集まる雑踏のなかで、押したり押されたりもつれあって転ぶ。あのもたもたした足さばきでは、まあしかたない。
すりむく膝が、もう残ってない。

送り迎えのついでに、私は道ばたで蕨摘んだり、フキを摘んだりしている。畑はもうじき苺ができそうである。ツタンカーメンの豆は冬を越せなかったが、グリンピースはあおあお育っている。
ああ、でも筋肉痛で、畑仕事する元気がない。

いい春です。

紙屑をりくが一抱えもってきた。よく見ると、全部に数字が書いてある。10000えーん。ああ、きみはほんとにいい子だなあ。
「もっともってきてあげる」
って、はりきっていたのに、いきなり泣きながらやってきた。
「お金つくったら、ろうやに入れられるんだって。パパが言った」

あはは。よけいなことを。