石と霧のあいだで


 三つの都市 
     1 ミラノ

    石と霧のあいだで、ぼくは
    休暇を愉しむ。大聖堂の
    広場に来てほっとする。星の
    かわりに 
    夜ごと、ことばに灯がともる。
    生きることほど、
    人生の疲れを癒してくれるものは、ない。

              『ウンベルト・サバ詩集』 須賀敦子
 ときどき読み返したくなる詩集。

 台所の時計がついに壊れたので(100円ショップで買ったやつだが、それでも何年もよく動いてくれた)、新しいのを買ってきて掛けた。1980円で、なかなか立派に見える。子どもは朝から何度もその時計を見に行っては、「チクチクボン、チクチクボン」とうれしそうにしていた。