雪景色

 
 一日じゅう雪。空も曇っているが、それでも昼間の空は白く発光していて、すこしまぶしかった。外は一面真っ白。とてもしずかな一日。それにしても寒い。

 子どもは赤ちゃんの頃から靴下がきらい。はかせてもはかせてもすぐに脱ぐ。台所の床を歩くときは、さすがに寒いのか、かかとで歩いたり、爪先で歩いたりしている。
 子どもはクマのパズルで遊んでいて、「てーて、てーて」「あんよ、あんよ」と言ってくる。クマの手がみつからない、足がみつからない、探せ、というのだ。見つかるまで「てーて、てーて」「あんよ、あんよ」とうるさいことだった。
 ふと、ずいぶん静かだなと思ってふりむくと、いつのまに部屋のなかは、子どもがちらすティッシュペーパーの雪景色。一面にまきちらしている。子どもが遊び飽きてくしゃくしゃになったのを拾って、私は鼻をかんでいる。