小さい子どものなかの正義の感覚というのは、すごいものがあるかもしれない。
ときどき私は、2歳の子どもに顔を叩かれるけれど、昨日も叩かれたけれど、ほとんどいつも子どもが正しい。論理的に、ではなく、生命的に、正しい。
小さい子といるのは、言葉で嘘がつけないのがいいところ。
それで私が、「ごめん」と大人気なく相当にふてくされてあやまると、なまいきに「いーよー」と言うのだ。
ところで、彼には、叱られるとわかっていてもやりたいいたずらがあって、コップの水を床にじゃーじゃーこぼすのだ。叱ると逃げる。
つかまえて「ごめんなさいは?」と言うと、「いーよー」と言う。それは逆だって。
外は雪。ずっと降りつづいている。30センチくらい積もっている。雪あかりしている。