色素星人


 午前中、市民病院に行く。小児科でエコー検査。
 子どもの背中や腹に出現したいくつもの小さな痣が、色素性蕁麻疹(肥満細胞症)と診断されたのは生後8か月のとき。最初に病名を聞いたとき「色素星人マシン」と頭のなかで変換されたのは、きっと、ふだんは薄い茶色で、こすったり風呂に入ったりすると赤くなる痣が、星のように思えていたからだろう。
 蒙古斑がお尻だけでなく、背中いちめんにひろがっているうえに、赤い星までとんでいて、なんともにぎやかな背中である。なんだか星雲を背負っているようだ。
 星がとんだからといって、とくに心配することはなさそうなのだが、内臓に腫瘍ができることもあるらしいので、半年に1度、エコー検査をしてもらう。これまで、ベッドに寝かされるとそれだけで、泣いて暴れて大変だったので、今日も覚悟していたのだが、どうしたことか嘘のように大人しい。あんまりいい子で、拍子抜けしてしまった。検査結果は異常なし。

 「ブッブーうーうーうー」とうなっているのは、たんすの下の地下駐車場に、わざわざ車を押し込んでおいて、とれなくなったと言っているのである。すでに今日3度目。それでこの「ブッブーうーうーうー」は命令形なのだ。すごくえらそう。いいかげんにしてほしい。