いないいないばあ


   2月。子どもは2歳3か月。
 きみのいうことをきいていたら、おかーさんは、なんにも用事が片付かないし、トイレも行けないし、お風呂も入れないし、ごはんもつくれないし、泣いたって知りませんっ。というような一日。
 そういうものではあるのだが、あれこれと片付けなければならない用事のあるときに限って、べたべたくっついて離れない。抱っこをおろすと泣き、ちょっと部屋を出ると泣き、ああもう。

 お昼寝が夕方にずれ込んで、しかもたっぷり寝たせいで、深夜まで眠らない。電気を消しても、闇のなかで「いないいないばあ、いないいないばあ」と叫び、寝ている親の顔を叩き、起き上がって親の体の上に落ちてくる。これがまた石頭。危ないので電気をつけると、鉄道・自動車の図鑑をめくって、「ブッブー、シッシッポ、ピーポーピーポー」とうるさい。ふたたび無理やり布団のなかに押し込まれて、抗って一泣きしたあと、ようやくくたびれて寝た。親はもっとくたびれている。
 子育てを大変と思ったことはないが、子どもの目を盗んで何かをしようとするのは、とても大変。

 ひらがな、いつのまにか、かなり読めるようになっている。数字も。12358は完璧。4と7、6と9が混乱している。語彙もすこしずつだが、増えている。背は伸びているし、体重も増えているし、カレンダーには毎日△と☆がついているし、おかかのおむすびはパパのぶんまで食べるし、元気に育っていてくれて、うれしいよ。