春の雪


 春の雪、といっていいのかな。昼間はらはら降っていた。
 子どもが雪を見たがるので、キッチンの曇ったガラス戸を指でぬぐってやると、自分も小さな指でガラス戸をこすっていた。

 夜、近所の人が畑でとれた大根や高菜を、大きな袋3つ分もおすそわけしてくれる。雪のなか、農作業していたらしい。なんて太い大根。なんて大きな高菜。うれしいうれしい。感謝です。

 大根葉の緑がきれい。子どもの頃、家の経済状態が大変だったとき、近くの店で、ちゃぼの餌にするからといって、あれこれの野菜屑をわけてもらって、人間の親子が食べていた。学生の頃も、近くのスーパーの裏にまわって、あれこれの野菜屑を拾ってかえった。そういうとき、きれいな大根葉があるとうれしかった。漬物にしても油いためにしてもおいしい。