風邪

 風邪。寝ていたいがそうもいかない。寝ていると子どもがやってきて、「すわって、すわって」と泣くのである。すわると、「ぐり、ぐら、ぐり、ぐら」と絵本をもってきて膝にのせる。「ぐりとぐら」の絵本。声の出ないこんな日に、そんな長いお話を読まされたくないが、読んでやる。終わると子どもは最初のページをまた開く。読まないでいると、「ママしゅき、ママしゅき」と泣くのである。たいへん、めんどくさい。
 「ごはん」「ジュース」「ウンチ」とひっきりなしに呼ばれる。何を言えばママがふとんから出てくるかを子どもなりに考えているのだろう。「ウンチ」は偽の申告だった。
 少し用事を片付けたら、また寝ます。でもまたすぐに起こされるんだろうな。