水の研究


 子どもの熱、朝はまだ38度を越えていて、少しは疲れてもいるようで、朝ごはんのあと、また寝た。午後、起きたときには薬も効いたのか平熱だったが、夜になってまた38度。2日間、子どもの好きなものばかりつくっているのだが、あんまり食べてくれない。そのほかは、まあまあいつもどおり。

   「みず、のむ」という子に、水を与えない、というのは人道的にどうかと思うのだが、子どもは飲むためにだけ水を欲しがるわけでなく、2度に1度は上目遣いに飲むふりをしてみせるだけ。コップのなかに指をつっこんで、指から水滴をしたたらせて遊ぶのが目的なのだ。
 台所のテーブルの上に、指の先から水滴をてんてんと落として、その落ちていく様子をじっと眺めている。たちまちテーブルの上は雨の日の道のよう。その道にミニカーを何台も並べて、ミニカーの上にも水滴を落としたり、水滴どうしをつなげてみたり、近くのティッシュにもしみこませてみたり、水の研究に余念がないのだった。
 それくらいなら、叱ったりしないのだが、研究はやがてエスカレートし、床の上にジャーッとこぼす。それでもそれくらいなら、雑巾でふけばすむが、親の見ていないすきに、水のコップを畳の部屋にもっていって、畳にしみこませるのは、もうかんべんしてください。そうでなくても梅雨、黴の季節に。
 でも、何度手を叩かれても懲りないほど、水の研究は面白いらしい。

 昨日の朝、苺1個。