海にさわった

 

 昨日の朝、「海へ行こうよ」と夫が言い出したので、おにぎりつくって、山陰の海まで行った。中国山地の夏の景色をつっきってゆく。ダムのあたり、スキー場のあたり。水と緑がとてもきれいで気持ちがいい。海水浴客のいる海に来るなんて、どれくらいぶりだろう。海辺で、子どもは波をこわがって、足をすくませ、「おうち、かえる」と言っていたが、しだいに慣れて、波打ち際を歩くようになった。はじめて海にさわったね。大きな白い犬が近くで泳いでいて、海より犬を見たのがうれしかったみたいだ。

 今日、61年目の原爆投下の日。「われらかく地に人を埋めて来しゆえに雨を乞うそれが黒き雨でも」(正岡豊) 「広島の神話のなかから抜け出したひとと真夏の橋上にいる」(野樹かずみ)