傲慢不遜な木っ端役人!

 

 シェイクスピアの『ハムレット』に「傲慢不遜な木っ端役人!」というセリフがあったことを思い出した。中学生のときに読んだのだが、「傲慢」「不遜」「木っ端」とわからない言葉だらけで、辞書をひいたのでよく覚えている。あの頃、言葉の意味は知っても、実感としてはわからないでいたのが、ここにきて、なるほどこういうことかと、ひしひし感じる。福岡で生活保護の申請をさせてもらえなかった男性が衰弱死していたことも、埼玉のプールで女の子が排水溝に吸い込まれて死んだことも、岐阜県庁の数億円だかの裏金作りと、それを隠蔽するために数百万もの現金を焼却するという狂気の沙汰も、すべて「傲慢不遜な木っ端役人!」たちの犯罪だ。殺人と盗み。悪人のすることでなくてなんだろう。きっと、すこしだけ他人の苦しみに冷淡で、すこしだけ怠慢で、すこしだけ身内でいい目をみよう、と思ったら、もう悪党の仲間なのだ。なぜなら、「公僕」であるゆえに給料を保証される立場でいながら、「公僕」であることを裏切っているのだから。「公」とは国のことでなく、民のことだ。「傲慢不遜な木っ端役人!」たちの犯罪は、もっと追及されていい。連中のずるさを許してはいけないと思う。