お日さま

 ゴミの山の子どもたちの絵を見ていたら、絵のすみっこにお日さまがかいてあったりする。雲を青くぬって空を黄色くぬっていたりするのがするのが面白いが、子どもの絵にお日さまが出てくるのは、万国共通だろうか。
 小さいころ、絵には必ずお日さまをかいた。それをかかないと絵は完成しないのだ。
 ところが小学校にあがると、お日さまをかかなくなった。見えるものだけをかきなさい、と言われたりするのだ。するとお日さまを、あの天気予報の晴れマークのようにかくわけにはいかなくなって、画用紙には、ついかいてしまったお日さまを消しゴムで消したあとが、私だけではなくて、みんなの画用紙にあったりした。
 つまんないことだった。
 
 子どもが1歳の頃、最初に好きになったテレビ番組が天気予報だった。天気予報を見ながら、おひさま、おほしさま、くも、つき、あめ、かさ、と覚えたのだ。
 子どもにせがまれるままに、絵をかいてやっていて、お日さまをかいたとき、なんだか妙にうれしかったのだったが、やっぱりお日さまあっての世界である。
 だまされて、消してしまってはいけない。