秋の森

 日に日に秋も深まっていて、向かいの森も紅葉をはじめている。2階の窓から眺めていたら、子どもがモミの木を指して「くすのき」と言う。トトロのせいで木といえば「くすのき」だと思っているのだ。あれはモミの木、そのうしろにあるのがくすのき、そのうしろの赤いのが桜の木、もみじ、栗の木、ねむの木。木々の上をクリスマスの飾りのように黄色い蔦の葉が渡っている。秋の森は音楽のようだ。「とり、なくねー」と子どもが言う。あれは、からす。
 誰も住んでいないが、いちおう他人の敷地に落ちるので、ここの栗は拾いに行かない。この秋はもっぱら運動公園の散歩道で拾った。先日も17個ほど。
 そういえばブログを書き出したのも、紅葉の頃だった、と思ってみて見ると、10月27日から書き出している。ちょうど1年だ。読んでくれたみなさん、ありがとうございます。
 
 秋の街の遠きひとところ陽はさして確かにかくて在りし時あり (井辻朱美)