トーマス!

 年末に、おじいちゃんおばあちゃんのところで買ってもらった機関車トーマス。買ってもらったその日も興奮して、夜中になっても眠らず、泣いて泣いて泣いて、それはただ「もっともっとあそびたーい」というだけのことだったのだが、ちょうどその翌日に私がフィリピンに行くことになっていたので、おじいちゃんが「ママがいなくなるので泣いているのではないか」などと言い出して、面倒くさいことだった。子どもは4日ぶりにママが帰ってきたときも、ママとは寝ないで、おばあちゃんとトーマスと一緒に寝たんである。こんなことなら、もっと滞在してくればよかったと思った。
 
 家に帰ってからは、寝る時間になればトーマスのお片付けもするようになっていたんだが、昨夜は、夜になってパパと一緒に積み木でつくった駅が、改心の出来だったらしい。片付けるのを嫌がり、それでも片付けないと布団が敷けないので、容赦なく崩して片付けると、泣いて泣いて泣いて泣いて、怒って泣いて、明日もっと立派なのをつくってやるからとパパに言われても納得できるはずもなく、戸をぴしゃんと閉めて台所へ行って、ひとりでそこで泣いて、しばらくして戻ってきてまた泣いて、気持ちはわかるよ、わかるけどさ。ふとんの上でボール遊びしようよ。ボール投げしているうちに泣きやんだけど、お風呂に入るとまたぐずぐずぐずぐず泣いて、パパを困らせていた。
 
 トーマスのセットが出せないとなると、子どもは、ダンボールにクレヨンでレールの絵を描いたやつをふとんの上に出して、プラスチックの小さい汽車を走らせ出した。トーマスの立派な木製のレールと機関車を買ってもらう前は、これで遊んでいたのである。(これで十分だろうと、私は思うんだが)。しばらく遊んだら納得したようで寝てくれた。