春の便り

 朝、向かいの森でうぐいすが鳴く。ホーホケキョとけっこう立派に鳴いている。春だ。
 
 子ども宛てにおじいちゃんおばあちゃんから葉書が届く。子どもが葉書の文面を読んでおぼえていると知って、よろこんでときどき送ってくるのだ。おじいちゃんにいたっては、葉書の感想がききたいとわざわざ電話をかけてくる。まだ届いていないのに。電話に出た子どもは「おじいちゃん、500けいしんかんせん、ありがと」と言ったまでは感心だった。(新幹線はパパが買ってきたが、スポンサーがおじいちゃんおばあちゃんであることは、言い聞かせているのだ)、そのあとだ、「おじいちゃん、700けいしんかんせん。ほしいの」と言うと、プツリ、「切」のボタンを押している!!!
 翌日、葉書が届き、お返事を書くというので、葉書一枚、用意してやった。しかし字は書けないし、絵も、ママにかいてほしいばっかりで、自分でかきたがらない。なのに、おてがみはかくという。はげましてはげましてなんとかすこし絵らしきものをかかせた。
 クレヨンの赤や緑がのたうっているのは、しんかんせんと、最近お気に入りのマーク、△や○のなかに!が入っている、注意、警告のマークらしい。(子どもはこれを「さんかくピチーッ、まるピチーッ」と読む)。その上に、子どもの手をもって「おじいちゃんおばあちゃんおてがみありがとう」と書いた。投函。
 
 ゴミの山の学校のニュースレターの発送、八割がた終って、一段落。プリンターはやはり修理が必要みたいで、それが終わるまでは刷れないので、残りの作業はそれまで中断。ところで封筒に、去年から振替用紙を同封しているのだが、これはなかなか葛藤する。
 定期的に寄付を送ってくれる人は振替用紙を入れなくても送ってくれる。とすると、そうではない人に向けて、送ってもらいやすいように、用紙を入れるのだが(たしかに、すこしは効果があるようで、このすこしの効果がものすごく大事なのだ)、かわいそうに、ゴミの山の学校なんかに関わりたくない人もいるだろうに、ニュースレターだけならまだしも、振替用紙まで送られてくるのである。送るな、というのも言いにくいだろうと思うのだが、送っている私も、なかなか苦しいのだった。
 こんなもの送りつけられる筋合いはない、という人もたくさんいるだろうな、とか、それぞれ生活は大変だろうにな、とか、中学校1年のとき会計委員だったときに、給食費の厳しい取り立てをして、次の学期ではクラスメートから委員を解任されたということを思い出したり、そのうち私は友だちを失くすだろうな、とか、思ったりしながら、それでも寄付が1円でも多くなる可能性に期待して、振替用紙を同封するわけだった。
 
 そんなわけで、フィリピンのゴミの山の学校の支援のためのニュースレター(もれなく郵便振替用紙つき)これまでもらったことのない人で、欲しい方いましたら、送ります。メールください。paaralang@hotmail.com ホームページは http://kazu900.hp.infoseek.co.jp/