ドライブスルー

 あれはなんていうんだっけ。ドライブスルーでいいのかな。車に乗ったままハンバーガーを注文できて、車に乗ったまま、受け取るやつ。
 ちびさんが、その方式で食事する。ぶっぶーと車にまたがってやってきて、「おさかな、ごはん、キャベツ」とテーブルの上のものを指をさして、口に入れてもらうと、ぶっぶー、と去っていく。口のなかが空っぽになると、また、ぶっぶー、とやってきて、「ごはん、おみそしる、わかめ」と指をさして、また口に入れてもらって、去っていく。
 こんなんでいいんだろうか、と思わないでもないが、ちびさんが楽しそうなので、むりやり椅子にすわらせる気にもならないんだった。
 幼稚園とか学校とか、行くようになったら大変かもしれないなあ。
 ドアやふすまの敷居は、ことごとく道路か線路に見えるらしい。いたるところに新幹線や電車や車が並んでいて、気をつけないと踏んでしまう。スリッパも新幹線の仲間であるから、椅子にすわっている間に足先から消えて、右のスリッパは押し入れの敷居、左のスリッパは廊下のところ、というふうに、どこかにいっていたりする。
 台所のテーブルの下は、大型トラックも入る巨大駐車場。
 
 昨日、天気がいいので、買い物に出たついでに、川にクレソンを摘みに行く。ところがない。あきれるほどたくさん群落があったのに、ところどころにしかなくなっている。いつものところで採れないから、すこし苦労して中州に渡って摘んだけれど、たぶん、護岸工事のせいだ。新しい採集場所を探さなければ。
 おひたしとマヨネーズいためにして食べた。おいしい。余ったのは洗い桶に水を張ったのに、さしている。庭でしばらく育ってもらおう。