やれやれ

 必要な情報が入ってこない。
 
 というか、昔っから、どうして他の人が必要な情報をぬかりなく手に入れて、次の場所へ移動できるのか、私は不思議でしょうがなかった。
 他の人たちは、すでに別の教室に移動しているのに、私だけ、校庭の隅に残されているとか、レポート提出とか試験の情報が入ってこなくて、9割方出席したにも関わらず、単位がない、とか。他の人たちがいつ就職活動をしていたんだか、就職活動ってどういうふうにするものなんだかも、私はさっぱりわかんなかった。
 どうやらそれは、私がアスペルガーであるらしいことと関連しているようだ、と最近わかったけれど、情報はゆきかっているのに、なぜかそれを察知できない脳の問題らしいのである。
 
 幼稚園の入園説明会、すでに3日前に終わっていたらしい。
 今朝、親しくしている近所の小学生のさやちゃんのお母さんが、別の近所の子の話をして、同じ幼稚園になるかもよ、入園説明会に行ったって言っていたし、というので、驚いたのだった。
 
 入園説明会?
 知らない、そんなこと。
 
 これでもずいぶん注意していたのである。夏に、系列の大学の教員だったおじいちゃんが、学科長を通して幼稚園のパンフレットを手に入れてくれて、入園前の子どものためのクラスにも参加していたのに、なのになぜ、肝心な情報が入ってこないのだろう。
 何にショックを受けたのかわからないけど、なんだかショックで、まあ、しょうがないので、幼稚園に電話をかけてみた。「じゃあ、次にいらしたときに園長にきいてみてください」というので、まあ、そうすることにする。園長って、どのひとだろう。
 
 家のなかはいたって平和である。でも一歩外に出ると、わけのわからなさに取り囲まれる。運動会から逃げて帰りたいのは、ちびさんだけではないのだった。(こないだ、幼稚園の運動会につれていったら、ついて5分もしないうちに、「いやなの、かえるの」と泣きそうだった、ので早々に引きあげたのだ。)
 やれやれ大変だ。